科学都市考察FILE8
秒速10ミクロン 超スローモーな世界
都市を拡大してみると、町の様子が手にとるようにわかる。公園の周りには、家族連れや子供たち、空港の周りにはスーツケースをぶら提げたビジネスマンなど、実に細密感があふれている。
当然のことながら、子供やサラリーマンがずっと動かないでいるのはつまらない。中には足の動きまでアニメーションされた"シム人"までいる。普通に考えれば実にうれしいことだが、その歩くスピードはどれくらいなのか?検証していきたい。
シム人の歩行速度を調べるには、二つの調査方法がある。一つは「実時間基準」。もう一つは「シム時間基準」である。前者は、実際の時間(今生活している世界)の時間の進行速度を基準にしたもの。後者は、都市の中での時間の進行速度を基準にしたものである。
測定は3タイル間(約190m)で行い、平均値を使用する。 その結果、黄色のシムボーイ(適当につけた名前)は8.4秒であった。 この黄色のシムボーイ君を実験台にしたいと思う。ご家族の方、実験にご協力ください。
実時間基準
まず、「実時間基準」で歩行速度を割り出していきたい。 シム人は64Mを8.4秒で歩く。速さは「距離÷時間」だから秒速約7.6m。 わかりやすくすると時速27km!この人(子)は走る時と歩く時とがあるが、測定したものは歩きバージョン。子供なのだが歩幅は50cmとし、これで 64mを歩くとすると、一秒間に15回も地面を蹴らなければいけない!おそらく小学校低学年の子だが、すごい体力である。
しかし"シム界"なのでみーんな同じ速度。某映画にもあったが、シム界がわれわれ人間に支配されていたことを知り、人間界に復讐に来たとしてもたぶん勝てる! スケボー野郎もすごい。なんと時速42km。キチンと操縦できるのか?余程の判断力が養われていたんだなぁ。 「実時間基準」は少し早すぎたらしい。しかし、「シム時間基準」だったら…もっとすごい!!
シム時間基準
シム時間基準の場合、まず1日が何秒か知りたい。測定方法はカメ、ラマ、チーター、アフリカツバメで2ヶ月間計測し、平均値を利用する。その結果、
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問題のシムボーイ君 |
というふう。なんかカメ→ラマの差が4倍近くあるような......ということは置いといて、まず速度「カメ」の場合。同じシムボーイに来てもらうするこ とにする。その結果、64mを23時間と40分掛けじっくりと歩いているようだ。時速は...0.0027km!遅いっ!このペースで42.195kmの フルマラソンに挑むとすると、約16000時間、なんと出発から1年と10ヶ月ほどが経っている。
次に「ラマ」。単純に先ほどよりも4倍遅くなるが、4日半掛けてさらにじーーっくり掛けて歩いている。時速0.0005km。「カメ」が秒速10mなのに対し、「ラマ」は秒速約2m。遅い。遅すぎる。これまたフルマラソンに出ると10年ほどかかる!
チーターは置いといて、極めつけはアフリカツバメ。64mを53日かけてじぃ〜〜〜っくり歩く。100M走ならぬ100m歩のタイムは2000時間。100m歩くだけで2ヶ月半もかかるかぁ?時速は0.00005km。秒速10ミクロンという超鈍足。ちなみに、アルミホイルの厚みは15ミクロンである。どれほどの距離かお分かりいただけたでしょうか?アリだって1秒間に2cmくらいは進んでると思うけど、その2000分の1とは情けなさすぎである。三度ヘンな判定基準を出してしまうが、フルマラソンに出場すると100年かかる!本当に96年という答えが出たんだもん!
結局、「シム時間基準」だと遅すぎる。というかほぼ歩いていない、いや、歩く気が無い事がわかった。自分でもあまりのノロさにため息がでる。